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by nakayamaryu
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自発性

「叱り方褒め方」 野口晴哉 著より紹介させていただきます。
  
   自発性を奪うもの
 
 ・絵を書く楽しさを失った子
 
叱るということは親の意思を端的に表明することである。褒めることも同じで、叱るも褒めるもあまり立場の違いはない。

 絵を描く事が好きな子供がいた。とてもいい絵を描いていた。そしたら在る時、たまたま来きた人がそれを見て「坊ちゃんは絵がお上手ですね」と褒めた。それ以来、その子は自分の描いた絵をいちいち大人のところに持って行っては、「これはどうか」と訊くようになり、終いには褒められないと絵を破くようになった。

 以前は書くということが楽しくて、紙さえ与えておけばおとなしかったのに、褒められたばかりに、褒められるために描こうとしだした。何を褒められたか、その子には判らない。だから褒められるように描こうとなると当惑する。描いたものを見せないと不安になる。

 見せて褒められたらいいが、大人が褒めるのは最初だけで、二度三度となると、ウンウンと肯くか「うまいよ」と言う位になってくる。子供は始めのようには褒めてもらえない、もっと褒められようと思って一生懸命描いたのに、描く毎にだんだん褒め方が簡単になる、不安でしょうがない、そのうちに兄さんが描いた絵を破いてしまった。自分と比べてみても向こうのほうが上手だという事が判ったのだろう。それで破ってしまったのである。
 
 そういうのは確かに褒め方が下手だった、褒める時期も悪かった。いや褒めるという事でその子の楽しさを奪ってしまったとさえ言える。実際褒めるということでも使いこなすのは難しい。白分の認められたくない所を褒められたのでは誰も褒められた気がしない。皮肉なのかと思う。叱るという事が的にあたると傷口に触れるようなものだから、そのために反射的に叱言に反抗する傾向を作る。

 だから、叱言を言う場合は傷ロに触れないようにちょっと外して言わなければならないのだが、そのアベコベに、褒めるということはそのものズバリに的中しなければ逆効果になる。心ない褒め方をしたために、無心に遊んでいる子供の楽しさを奪ったのがこの例である。

 ・コンサート用の音楽

 近頃の音楽というのもそれと同じことで、本当にレコードの録音は良くなったし豊富になったし昔に比べると格段に安いのでふんだんに聞けそうなのだが、私はちっとも愉しくなくなってしまった。まだ惰性でかけてはいるか、自分一人で聞くとなるとやはり昔のレコードである。骨を折ってゼンマイを巻いてかけて聞いている。
最近は昔のもの録音のものを再録して出しているので、昔のレコードを作り直したものは聞いているが、最近吹き込んだもので聞けるのはごく少ない。

 それは音楽が楽器を鳴らすだけになって、心がなくなってしまったからである。みんな褒められようとして演奏している。つまり様々なコンクールに入賞する事を目標に勉強しだしたから、人に見せようということになってしまって、音楽の楽しさ、音楽の含蓄といったようなものがなくなってしまった。

 演奏している人自身、音楽を楽しむ余地もない程に世界中を駆け回って、次から次に演奏して歩いている。気持ちの中も同じように余裕がなくなってしまったのだろうか。そういう内面的なものが反映しているのであろう。だからちっとも面白くない。

 今のようにコンクールで音楽を競う方向に行く限りは、前述の子が絵を褒められる為に描くようになったのと同じで、どこが褒められたのか、何がいいのか悪いのかが判らないまま、ある時褒められたらその褒められた傾向でばかりやっている。どこにも進歩がない。何を褒められたか判らないのに、もっと褒められようとしてそういう頃向ばかりどぎつく伸ばしていくような行為は、子供でも大人でもあまり立派とはいえない。褒められたい要求が自分の裡から出ているとしても、それを他人の目によって決めようとするところにおかしいものがある。

 その子供も褒められた為に去勢されてしまった。だから褒めることは難しいと言うのである。褒める時は的をピタッと射て「こことここがよい」と言わなくてはならない。 しかし叱言はその急所をやや外して、後になって気がつく・・・・・という位の含みをもたせるのが良いのである。

 #管理人です
 こういったことは子供だけの話ではなく、大人の中にもあると思いました。しかし、子育てや教育というのが如何に大事かということを感じました。最近色んなニュースがありますが、親や大人がもっと学び工夫し子育てや教育をしていった方が良さそうだなぁと思いました。(ほっといても子供は育つという意見もありますが 汗)

  「今日の嬉しかったこと」
 ・パソコンがフリーズしやすかったのが良くなった(友達のアドバイスで)
 ・欲にまかせて柿の種を食べた
 ・和食に興味が湧いてきた
 ・昨日、「さよなら」のフレーズの映画評論家が水野さんではなく、淀川さんであることを教わった
by nakayamaryu | 2009-06-24 22:11 | 本の紹介など